entourism

stories

娘の5歳の誕生日に、
家族3人で撮るフォトウェディング。

「私、何度か病気してるんですよ」と話してくださった、奈々さん。大切な方と出会ってほどなくして、彼女に病気が発覚。命に関わる困難を前に、ともに闘う決意をしたふたりは、人生のパートナーになる決意をしました。

やがて、彼女のおなかに赤ちゃんが宿りました。長い入院生活の末、無事、元気な女の子が誕生。

ところが、彼女の身体を再度、再々度と病が襲います。抗がん剤の影響で髪の毛がなくなり、結婚式も、家族写真を撮る機会も望めなかったそうです。

我が子が成長し、身体の調子も戻ってきた今、私たち家族にとって特別な日=娘の誕生日に、家族写真を撮りたい─。それが彼女からのオーダーだったんです。

病気に勝った髪の美しさ。

ヘアメイクに取り掛かる時、奈々さんは「ねぇ、巳奈さん、髪の生えグセって変わるんですよ?この髪は、抗がん剤に勝った髪なんです」と言いました。

奈々さんの髪に宿る生きる力をそのまま表現したいと思いました。ヘッドパーツは、おしゃれな奈々さんにぴったりなフランス製のウェディングハットを選びました。

ありのままの自然な笑顔。

デザイナーである奈々さんのトレードマークは、丸い眼鏡。「取りますか?」と聞くと「どうしようかな…」と躊躇する表情。

でもメイクを終えて撮影場所に向かう途中、彼女が眼鏡をそっと外してかばんに仕舞ったんです。その瞬間の嬉しさといったら!

後日、届いたお手紙には「自分至上 間違いなく一番綺麗にしていただきました。これからも娘の成長ごとにお世話になりたいです!」という一文が。

こちらこそです。この先も長い長いおつきあいを、楽しみにしています。

plannning: mina matsubara
hairmake: mina matsubara
photo: takanori tase